善き隣人バンクーお話し相手・付き添いサービスー
善き隣人とは、イエス・キリストが隣人愛について語られる聖書の場面に登場する言葉です。
高齢化の進む現代社会の「孤独」という問題に、「傾聴」を通して本格的に取り組みます。
医療や介護でカバーしきれない「心の痛み」に寄り添う
高齢化・核家族化が進む中、現代社会には心の痛みを抱え「孤独」に悩む人々が沢山います。
医療や様々な生活支援の働きに加え、心の内面を支え、信頼できる隣人の存在が求められています。
私たちがこれまで取り組んできた「お話相手・付き添いサービス」をさらに深化させ
「善き隣人バンク」がスタートしました。
※「善き隣人バンク」は2021年より、一般社団法人として活動いたします。
善き隣人バンク 専用サイトへお一人お一人に寄り添う「会話」を通して
継続的な、温かい信頼関係を築きます。
善き隣人バンク規定の勉強会を修了したスタッフを派遣いたします。 忙しいご家族に代わり親身になって、お一人お一人に寄り添うことを目指しています。
お話し相手
外出付き添い
買い物・散歩同行
※スタッフの保有する資格はさまざまですが、サービス内容には反映しません。

傾聴とは
傾聴とは、真摯な姿勢で相手の話を聴くコミュニケーションの技法です。相手との信頼関係を築くだけでなく、傾聴を通して、自分自身を知り、感情のコントロール等を促すきっかけになると言われています。
- スタッフの経験は様々ですが、全員が既定の学びを修了しています
- 依頼者とその家族との深い信頼関係を得ることに最大限注力します
- 「傾聴」の概念を体系化し、社会的に高齢者ケアに生かされるようリーダーシップを持って取り組んでいます
- 地域包括ケアシステムの働きとの連携を最終的な目標としています

心の痛みに寄り添う
スピリチュアルペインと向き合う
病、死、老化、試練 などが、なぜ自分の身に起こるのか? その意味(理由)がわからない故に、人生の価値を見出せない苦痛のことを指しています。 これらの苦痛は、日々の生きる力を低下させるだけでなく、医療や様々な生活支援の働きの効率化を阻む要因にもなっています。
この苦痛は、論理的、理性的な解決法はないものの、継続的な「傾聴」の働きにより、自己受容が進み、目に見える状況に変化がなくても、苦痛が軽減、解消していくことが多いと言われています。
- 毎日の生活に不安を覚え、寂しさや孤独を感じておられる方に
- 継続的、定期的なサービス提供により「傾聴」を通して「スピリチュアルペイン」を軽減させる効果があります。

非営利活動
さまざまな弱さを抱える現代社会の「孤独」は一層拡大し、背後にある「スピリチュアルペイン」の存在は、多くの人の心を閉ざしています。この現状に対し、継続的な「傾聴」の効果は非常に大きなものですが、形のある支援ではないので、この働きを提供する私たちへの信頼が、働きの展開を進めるカギになります。
やがて、この働きが日本各地に拡大展開し、厚生労働省の進める地域包括ケアシステムの働きとの連携が行われ、心の痛みを抱える多くの人々に対し、より効率的な支援の働きが提供されることをビジョンとして描いています。
この働きは、当面ブレス・ユア・ホーム(株)として実施しますが、収益化がゴールではないため、将来にわたってご支援をいただく必要があります。従って、今後、この働きを株式会社から切り離し、非営利型の一般社団法人とすることを検討していきます。
最期まで自分らしく元気に生活できる、明るい日本社会の将来を目指して。

ご相談事例 ー高齢者の方からー






入院のお手伝いからエンディングまで
一人の高齢男性が突然体調を壊し、入院をお手伝いしましたが、その後、症状が悪化し、回復が見通せなくなりました。
ご本人とご家族は、自宅で最期を迎えたいと希望されましたが、介護を担える同居のご家族がおられませんでしたので、私たちが続けて寄り添わせていただきました。
その間、在宅医療を担う医師、看護師、介護事業所からはヘルパー、その他、家政婦やボランティアの人たちが、駆け付けてくれました。
それぞれが、大変ありがたい存在でしたが、日毎に弱くなっていかれる高齢男性とご家族の善き隣人として、その内面を支え、関わる大勢の人々との間をつなぐ私たちの役割は、他にはない大変重要なものでした。
伴侶に先立たれ不安を抱えて...
ご主人に先立たれた直後、不安を抱えながら高齢者施設に転居された女性を訪問し、お話し相手をさせていただいています。急激な環境変化により、心身が不安定な時期もありましたが、召されたご主人の思い出を共有しながら訪問を続けています。
定期的なお話し相手サービスの他に、身体の調子に合わせて、施設内でご主人の記念会(法事)を企画し行いました。数年のお付き合いになり、認知症状が進み、記憶が鮮明ではなくなりましたが、工夫を重ねながらこれからも訪問を続けていきます。
かわいい孫娘の結婚式に是非出席したい
足腰の不自由な高齢男性が、お孫様の結婚式に出席したいとのことでしたので、付き添いサービス(車両での送迎)を実施しました。
長時間の移動でしたので、運転者の他にスタッフ(看護師)をもう1名同乗させ、依頼者の負担にならないよう出来るだけの配慮を行いました。男性は、ご家族、ご親族と共に楽しい記念の時を過ごされた後、幸せなお孫さん夫妻に見送られて会場をあとにしました。天候にも恵まれ、掛け替えのない貴重な時間を過ごされたようでした。
ご相談事例 ー高齢者以外ー

高齢になった祖母との
時間を大切にしたい
高齢者施設に入居されているおばあちゃんと良い時間を過ごしたいと願うお孫様より依頼をいただき、毎週、日曜日の午後、施設の小さなお部屋を訪問し、一緒に過ごす時間をプランニングしました。おばあさまは高齢で、言葉を発することもできない状況でしたが、お孫様から昔の故郷の様子などのお話を聞いたり、意識がはっきりとしている時は、一緒に歌ったりしました。
数か月の訪問の後、おばあさまは静かに召されました。
葬儀(直葬でした)はブレス・ユア・ホームが執り行いました。出棺時にお孫さんたちとともに、天国を見上げて祈らせていただきました。
ご自身の葬儀相談と
お話し相手サービスをご希望
癌により余命少ないことを知った男性が、ご自身の葬儀のことでブレス・ユア・ホームに相談を寄せてくださいました。早速ご自宅を訪問しヒアリングしたところ、定期的なお話し相手を希望されたので、ご自身の葬儀のプランニングとお話し相手を週に1回させていただくことになりました。この男性はキリスト教信仰を持たれており、葬儀を通して、ご家族に伝えたいメッセージがあると語っておられました。葬儀の内容は、この男性の思いをしっかり詰め込んだものにしました。やがて病状が進み入院されましたが、病室への訪問を続けました。
葬儀はブレス・ユア・ホームが執り行いました。寂しさの中にも、この男性と神様への感謝が満ちるときになりました。
お話し相手サービスと
外出付き添いをご希望
長年精神疾患がある女性を4年にわたり訪問し、お話し相手をさせていただいています。その方は合併的にいろいろな症状が起こり入院されることもあるため、その時は入院先の病院へ訪問しています。物静かな方で、訪問者との会話もゆっくりで他愛のない内容です。この方は以前から外出を希望されていました。現在、だいぶ症状が落ち着いているので、ご本人のご希望に沿った外出のプランを、週に一度、安全を考慮して実施しています。外出の際に見る花や鳥を可愛いと言い、季節を全身で味わう様子は、生命力を感じます。その様子をご家族も喜ばれています。心身の健康の回復を願いつつ、ご自身の霊的な喜びに、これからもじっくりと長い時間をかけて寄り添っていきます。
ー ごあいさつ ー
善き隣人バンクスタッフリーダー
小野 あづみ
5年前からブレス・ユア・ホームの“お話し相手・付き添いサービス”の業務に従事してきました。一つ一つのご依頼を丁寧に、時間をかけて対応してきました。ブレス・ユア・ホーム発足当初から訪問させていただいている依頼者とは長いお付き合いとなり、感謝の気持ちでいっぱいです。
そしてこの春、この業務を全国に展開するため、各地に訪問者を置き、「善き隣人バンク」と名前を新たにしてスタートしました。
私たちは、依頼者とそのご家族に寄り添い、支え続ける「善き隣人」としての役割を担いたいと願っています。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。