先日、若い頃にキリスト教に触れたと言われる女性が癌(がん)に侵され、余命1カ月と宣告された。ご家族はキリスト教葬儀を希望されたが、牧師に伝手(つて)がなく、ご子息が当社に事前相談を寄せられた。
それから約1カ月が過ぎた。ご子息より、余命1週間という知らせとともに、ご本人が「キリスト教に入信したい」と言われていることが突然知らされたのである。
ご家族の今後のことを考えると、近隣の牧師に継続的に寄り添っていただくべきと思い、最善を備えてくださる主に祈りつつ、関東地区の連携牧師名簿から適任者を選ぶことにした。
関係者と共に祈る中、2日後に素晴らしい報告が届けられた。死を目前にした弱さの極致にある方だったが、牧師の訪問を待っていてくださった。そして、その場で、ご自分の意思で福音を受け入れ、信仰を告白され、洗礼を受けられたのである。
おそらく、その場に駆け付けたご家族と共に、天国の窓が開く経験をされたことだろう。死を目前にした絶望とも思える状況の中に、輝く大きな希望を見いだされたのである。
その日から実際に召されるまでの1週間、弱さのただ中で、天地の創造者に心を向けられた。日々、洗礼を受けたことを喜び、与えられた人生に感謝し、天国の希望を告白して過ごされたようである。
葬儀は、洗礼を授けた牧師が司式した。それまで祈りつつ備えてきたキリスト教葬儀社や関係者の見守る中、天国に凱旋された故人を偲び、神様に感謝する感動的な葬儀が執り行われた。
ご家族にとっては、大切な家族を失った悲しみの中にも、大きな慰めを得たエンディングであったことは言うまでもない。
引用:クリスチャントゥデイ -「日本人に寄り添う福音宣教の扉(30)希望溢れるエンディング」 (2017年10月5日)